大相撲夏場所は、
千秋楽まで優勝の行方が分からない様相でしたが、
終わってみれば、横綱照ノ富士が3場所ぶり7回目の優勝。
8日までの3敗から見事に巻き返し、締めてくれました。
本日の一枚は、中銀カプセルタワービルです。

直方体のブロックを積み上げたような不思議な外観。
近くを通ると誰もが目を引く建物です。
黒川紀章が37歳の時に設計し、
世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅です。
所在地:東京都中央区銀座8丁目
建築設計:黒川紀章建築都市設計事務所
構造設計:松井源吾+ORS事務所
電気設備設計:電気設備計画研究所
防災計画:星野研究所
施工:大成建設
カプセル制作:大丸装工部
敷地面積:441.89平米
建築面積:429.51平米
延床面積:3091.23平米
階数:地下1階、地上11階および13階
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造
室数(カプセル数)140室
設計期間:1970年8月~12月
施工期間:1971年4月5日~1972年4月
黒川の初期の代表作であると共に、メタボリズムの代表的な作品。
計画では竣工から25年毎(最初が1997年)に交換されるはずでしたが、
実際にはカプセルは実際に交換されることはなく、
今年の4月から解体工事が行われています。
約10平方メートルの四角いカプセルの中に、
丸い窓、テレビなどが組み込まれた収納棚、ユニットバス。
「宇宙船みたいとよく言われるけど、茶室をイメージしたそうです」。
区分オーナーの前田達夫さんの説明。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/135361
NHKのWEB特集からは、
所有者の中でも建て替えるのか、
保存していくのか意見が割れていた。とも書かれています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220426/k10013597351000.html
一方で、名建築の価値を後世に残すため、
「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」が始動。
デジタルアーカイブとして後世へ残されています。
https://www.value-press.com/pressrelease/294642
解体中の現在、解体時にカプセルを取り外し、
株式会社黒川紀章建築都市設計事務所の協力により改修され、
美術館・博物館への寄贈や、
宿泊施設などで「泊まれるカプセル」として再活用が計画されています。
訪れたこの日は、解体工事中で、
既に足場が掛けられていましたが、
私以外にも多くの方が記念に撮影していました。
日本の代表的建物が、時代の渦の中で消えていく刹那を感じます。
では、次回をお楽しみに