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耐震補強の工程
工程Vol.73
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セパ交流戦が始まっているプロ野球。
日本ハムの大谷翔平投手が、
自身が持つ日本球界最速となる
急速163キロをマークして記録更新、
好調巨人に勝利しました。
本日の一枚は黒田記念館。

上野公園内の東京藝術大学に隣接するこの建物は、
日本近代洋画の父ともいわれる黒田清輝が、
遺産の一部を美術の奨励事業に
役立てるよう遺言したことから
1928年に竣工したものです。
設計は、岡田信一郎、施工は、竹中工務店
鉄筋コンクリート造2階建、半地下階付。
様式建築の鬼才とうたわれ
毒舌で知られる岡田氏が、
設計変更による工期の遅れを
お詫びしたエピソードもあるとか。
正面には黒光りする大きなドアがあり
重厚な印象を受ける建物。
正面2階部分には、3つのアーチ窓を
両側から挟んで列柱が並ぶ、
ルネッサンス風様式です。
2000年に東京文化財研究所が新庁舎に移ったことに伴い、
2階部分を中心に改修を行い、2001年9月に開館。
2002年に登録有形文化財に登録されました。
東日本大震災の翌年、
2012年4月から耐震補強の改修工事を行い、
2015年1月にリニューアルオープンされました。
関東地域に起こりうる更に大きな地震に
間に合ったのか、
現在の日本の耐震技術が、功を奏するのか、
天災の前には無力のものなのか、
今は未だ分かりません。
歴史的建造史跡を訪ねて、
上野の数ある趣き深い建物が
いつまでも残ってほしいと
感じた次第です。
では、次回をお楽しみに