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伝統の力
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プロ野球日本シリーズが面白くなってきました。
2つの台風が日本に接近して、
仙台球場での開催が危ぶまれましたが、
台風がうまく抜けて素晴らしい試合が展開されました。
初日は巨人が先手を取りましたが、
2日目は、楽天のエース田中選手が、
気迫のこもる投球で12脱三振の完投勝利。
本人にとっても日本シリーズ初登板初勝利ですが、
チームにとっても初勝利。
どちらかと言うと弱小チームのイメージの球団を
数多くリーグ優勝に導いた優勝請負人の星野監督ですが、
日本一の経験はないようで、今回初の日本一なるか。
先週、出張で仙台に伺ったこともあり、復興への思い、
なのか判官びいき、なのか、どうしても楽天を応援してしまいます。

昨日は、とても清々しい一日でしたが、今日の一枚は、近くの押上商店街から見たスカイツリーとイーストタワーです。31階、高さ158mのイーストタワーも、634mのスカイツリーの隣では、子供と大人が並んでいる感じです。このイーストタワーも制振構造で、地震対策を施されてますが、やはりスカイツリーの構造設計は、興味をそそります。地上600mの構造物では、地震も然ることながら暴風にも注意が必要。上空にはどんな風が吹いているのかを調べるため、ラジオゾンデという気象観測気球を飛ばして、高層での風速分布や風の乱れを調べています。
最先端技術を駆使したスカイツリーですが、
その原点は、自然と伝統を感じます。
基礎の杭には節の付いた壁状のものにすることで摩擦抵抗を大きくしています。
これは、「木の根」のように地盤と一体化することを意図しています。
地上に見えるタワーの鉄骨は、「大地から生えてきた大樹」のように。
鋼管の「分岐継手」は、海洋構造物の規準に基づいて設計されています。
そして、制振構造は、
五重塔になぞらえて「心柱制振」と呼ばれています。
これは、中央部に設けた鉄筋コンクリート造の円筒(心柱)と
外周部の鉄骨造の塔体を構造的に分離し、
中央部の心柱上部を「重り」として機能させています。
新しい制振システムでありながら、
伝統的な塔である「五重塔」が融合した結果です。
http://www.tokyo-skytree.jp/archive/spec/structure.html
スカイツリーの近くには浅草寺があり、そこに「五重塔」が建っています。
スカイツリーと浅草が共通の構造コンセプトで繋がっています。
様々な先端技術が出現する世の中ですが、
その原点は、自然や昔ながらの伝統から来ることが多いことに、
爽やかな青空を見上げながら感じた次第です。
では、次回をお楽しみに