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土地の有効活用
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大相撲夏場所は、終わってみれば白鵬が2場所連続の全勝優勝。
25度目の優勝は、朝青龍に並ぶ歴代3位。
今場所は、稀勢の里の優勝の目もあり、
日本人力士6年ぶりの優勝の期待もあったのですが、
直接対決にて勝負あり。
やはり、日本人としては一寸残念です。
日本人力士、ガンバレ。
本日の一枚は、「東京スクエアガーデン」。
中央区の京橋駅直結の大型複合ビルです。
設計が、日建設計、施工が清水・大成建設のJV。
地下4階、地上24階。高さが124m。
構造は、地上部が鉄骨構造ですが、柱がCFT造となっています。

CFTとは、コンクリート充填鋼管構造(Concrete Filled Steel Tube)。
鋼材とコンクリートを組み合わせた複合構造の一種です。シンプルな構成が特徴で、強度、剛性、変形性能などの面でも優れているため、S(鉄骨)造、RC(鉄筋コンクリート)造、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造に次ぐ第四の構造とも言われています。この構造、1990年以降に普及し始めたのですが、1980年頃までは、コスト面の問題や構造的性能の知見が乏しいことから、普及が進んでいませんでした。
当時の建設省(今は国土交通省)が行った
「21世紀の都市型集合住宅の提案プロジェクト」に
CFT構造を採用したことや
各社の研究実績が積み重ねられたことなどにより
普及の阻害要因が取り払われていきました。
私事ですが、ゼネコンに勤めていた頃に、
試験的に自社物件でCFT構造の施工を行ったことを思い出します。
このビルのもう一つの特徴として、
6社の開発事業主の中に「特定目的会社」が2社含まれています。
この言葉、「資産流動化法に基づいて設立される会社」という意味で、
その資産流動化法とは、
平成10年(1998)施行の
「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」(旧SPC法)
が平成12年(2000)に改正されて成立したものです。
何やら小難しい言葉が続きましたが、
土地を有効利用できるように、
多いな規模の敷地にまとめたいけれど、
従来は色んなリスクもあったので、
そのリスク回避や税制優遇によって促進する法律が作られ、
その法律を適用する会社を組織するようになった、
といった感じでしょうか。
東京駅周辺や日本橋界隈では、以前から再開発が進み、
景気回復に一役かっていることを感じますし、今後も更に進む予感です。
地価が高い場所は、大型ビルの建設で、土地の有効活用が進み、
お洒落な店舗が入り、人々が更に集まるようになり、活気が戻ることで
良いこと尽くめのようですが、
赤ちょうちんも好きな昭和世代にとっては、何かもの寂しさを感じる、
複雑な心境です。
では、次回をお楽しみに